着物を汚してしまった場合

京都の町を歩く着物の女性

大事な着物に飲み物や食べ物をこぼしてしまった時、慌ててハンカチやおしぼりで着物を拭いてしまおうとしますが、これは絶対にやってはいけない対処法です。
飲食物に限らずどのような汚れであっても、汚れを落とす為に生地をこすtたりしないでください。

着物が汚れてしまうと反射的に、濡れた状態の布で汚れを落とそうとしたくなりますが、多少汚れが薄くなり、ましになったように見えても汚れの濃さに関わらず汚れのついた範囲を広げてしまうことによって、しみ抜き作業の負担も大きくなってしまいます。
また、こすってしまうことで生地の繊維の中へと汚れを染み込ませてしまうこととなり、生地が傷みやすくなります。

着物に使用されている生地のほとんどが、絹という素材を使用しており、絹は水分に弱く傷みやすい性質を持っている為、こすってしまうことにより繊維が乱れてしまうこともあります。
なので、着物に汚れが付着してしまった時は、着物にハンカチやタオルなどを強く押し付けたりせずになるべく優しく押さえ、水分や汚れのみを拭き取るようにしましょう。
なるべく触らずに、着物を脱ぐまで置いておくのがベストです。

家庭で着物に付着した汚れのお手入れをする場合は、中性洗剤やアルコールを使用し、シミになった部分の周りから軽く叩くようにして汚れを落としていくと良いでしょう。
しかし、シミ抜きに自信がない方や生地を傷めてしまう心配があるという方は、業者に任せることをお勧めします。
大事な着物を汚さないように気を配ることも重要ですが、前もって着物に撥水加工をしておくと安心して着物を着ることが出来るでしょう。